*「一位じゃなきゃヤダーーーーー」
「一乗谷で、一位を誓う 指原莉乃(二位)」
滝行しても、「反対側の扉が開きます。」
1
平成26年11月25日の日経朝刊、「私の履歴書」。コマツの元社長で、現相談役の坂根正弘さん。
社長に就任してすぐに、創業以来初の営業赤字。
なにをしたのか。
「生産コストの『見える化』だ。」とのこと。
2
えーーーーーっと、驚きました。
製造業なのに、管理会計が実行されていなかったの!?
そんなわけないとは思うのですが、何かの間違いか。
ただ、次に次のように記されています。
「コマツの国内工場と海外7工場で生産する同一機種の建機を変動コストに絞って詳細に比べると、通年に反して国内拠点のコスト競争力は高く、米国工場との比較では1ドル=70円ぐらいの超円高にならない限り、国内コストの優位性は揺るがないことがわかった。」
「米国の競合会社と比べると、コマツの利益率は慢性的に低かった。生産コストでは勝っているはずなのに、なぜ利益で劣るのか。」
「この問いを突き詰めて明らかになったのが、固定費の高さだ。景気に波がある中で雇用を守ろうとすると事業多角化と称して拡大志向に走り、気がつけば不採算事業と非効率的な関節業務で固定費が肥大化していた。」
3
どうも2002年当時ですら、管理会計の理念が実行されていなかったのだと思われます。
意外です。大企業のはずなのに。
いや、でもどこかで聞いた話。
そう、カルビー。
社長が交代し、売上はそれほど変わらないのに、営業利益がぐんぐん伸びた会社。
*カルビーHP から
「二番手の会社に比べて、カルビーの製造原価率は異常に高かったんです。売り上げの規模は3倍あるわけだから、普通なら1割、2割低くて当たり前なのに、カルビーのほうが7%も高かった。これはどう考えてもおかしい」
売上高を100とした場合、カルビーの製造原価率は65。販管費が32で、利益はわずかに3ポイント。一方、二番手企業の製造原価率は58ポイントだった。
4
このカルビーの記事を読んだ時、カルビーほどの「大きな会社が管理会計ができていない」、「社長が数字を読めていなかった」という事実に驚いたのを覚えています。
11月のこのコマツの元社長の話でも、同じです。
「大きな会社なのに」、(以前の)社長が数字を読めていなかった。
こういう話は、きっと他にもゴロゴロあるのだろうとこの日経朝刊を読んで、やっとわかりました。
思うのは、京セラの稲盛さんの本です。
「稲盛和夫の実学 経営と会計」(日経ビジネス文庫、2000年)
働く人は皆、一度はこの本を読んだらいいと思います。
社長に限らず、平従業員であろうがなんであろうが、お金に関わる人は。
33頁
「また売上に対する販売費・一般管理費の割合にも常識と呼ばれる迷信がある。たとえば、ある業界で販売費・一般管理費が、売上の15%はかかるということが常識となっているとする。販売組織や販売方法が、各社みな類似していることが背景にあろう。
そこで、新しく参入してくる企業が、売上に対して販売費・一般管理費が15%かかるという常識を前提にして経営すると、意図せず自然のうちに同業他社と横並びの経営になってしまう。これでは、『自社の製品をより効率的に販売するためには、一体どのような販売組織や販売方法をとるべきなのか』という重要な経営課題を根本的に考える機会を自ら放棄し、他社を模倣することになる。」
そう。
稲盛さんは、常に、「数字」をあるべき経営の指標にしていることがわかります。
5
いわゆる大きな会社。
稲盛さんのような経営、管理会計など会計を生かすのが当たり前だと思っていたのですが、カルビーの話や、今回のコマツの話をみて、意外とそうでもないんだろうなと思うようになりました。
大きな会社も、小さな会社も、まずは自己の姿を知るものとして、「数字」,「会計」を見るようにしてみると、見えなかったものが見えて来るかと思います。
(おわり)
*このキムチ。コストをどのように計算し、いくらで売れば、利益が最大化するか。
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