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先日、大阪はJR福島駅の近くにある洋食屋さん「泉」さんに初めて行きました。
ここは、北区西天満にあった「キュイジーヌ」で働いていた方が10年ほど前に独立して開いたお店だとか。
西天満の「キュイジーヌ」は、裁判所、大阪弁護士会の近くということから、昔、弁護団会議の後、20時くらいまで事務所で仕事をした帰りに友人と誘い合ってなどで、よく行っていました。
何が、記憶に刺さっているかというと。
「アボガド」の料理と、〆の「カツサンド」にふわっとろっの「オムライス」です。
この西天満の「キュイジーヌ」ももとは、知る人ぞ知る「キュイジーヌ長谷川」という店の流れ。
そして、名物料理と言われるが、上記3点。
オムライスは、皿をテーブルに出してくれてから、目の前で皿をぶるっと揺らし、真ん中がパカッと割れて、両側にとろっと半熟の卵が流れ出すという演出です。
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この福島の「泉」さんでも、西天満の「キュイジーヌ」の名物料理、アボガド、カツサンド、そしてふわっとろっのオムライスを美味しく食することができました。
懐かしい味!
聞くと、ほかにも、当時、西天満の「キュイジーヌ」で働いていたシェフが、谷町4丁目あたりで独立、開業して、「キートス」というお店を開いているようです。洋食屋さんです。
谷町4丁目といえば、大阪家庭裁判所の近く。よし。そのうち、「キートス」にも行ってみよう、と思いました。
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そして、はっと気づいたこと。
これが、例えば、了見の狭い経営者だと、俺の店のオリジナル料理・演出手法を独立した料理人には使わせない、と言うのではないか、ということ。
もし、それをしていたら。私は、泉に行くことはなかったかもしれないし、キートスに行こうと思うこともなかったかもしれない。また、「キュイジーヌ」も西天満から移転したということで、新しい店の方に行くかどうか。
しかし。そうではなかった。
一つの店にすぎなかったものが、その店で修行した人が、新しく店をもち、それまでに培った技を新しい店でも披露することで、修行した店との繋がりが途絶えず、そうした料理人が増えること、新しい店が増える事で、ドンドン、繋がりがリンクしていき、輪が広がっていく。
これぞ、オリジナル料理を持ち出されて、一見、損しているようだけど、実は得している、という商売人の商売の仕方の鏡ではないかと手を打ちたくなりました。
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前から思っていた同じようなことは、本屋さんです。
立ち読み禁止、として、とことん立ち読みができないよう、できないように腐心していた普通の本屋さん。
96年。初めてアメリカ旅行をしたとき、オハイオ州のシンシナティにあったバーンズ&ノーブルズという本屋を訪れて驚きました。
立ち読み、というか座って読めるように机とテーブルも脇においてあり、売り物の本を手にして、椅子でゆっくりと読めるシステムになっていました。
今でこそ、日本でも、大手書店はやっと気づいてそのシステムになっています。
見るだけ見て買わない人というのも存在するでしょうが、損してあまりある、本好き、本を買うのか好きという人への誘引になります。立ち読みし放題。
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損して、得とる。
情報、テクニックなどは、事柄にもよるのでしょうが、「出し惜しみ」していると結局は、機会を自ら狭めていると思います。
といったことを、「泉」さんで、ふわっとろっの「オムライス」をいただきながら改めて実感しました。
「出し惜しみ」をするかどうかは、本当の商売人として「商売」に対する長期的な哲学をもっているか否かの差なんでしょうね。
蛇足ですが。
商売をしているのに、客となったときに相手の業者に「値切り」をする人というのは、本当の「商売人」ではないなと思います。
値切って得をしたようで、結局は信頼をなくしているので、損をしているのに気づいていないだけです。
昔何かで読んだ、料理人さんの言葉。
仕入れ先への支払いは真っ先にする、なぜなら。いいものを仕入れて、お客さんに提供したいから。
値切ったりせずに、きちんと支払いをすることで、信用ができて、いいネタが入ったときには、向こうも真っ先にこちらに連絡してくれるようになった。
こういう人心、心の機微が理解できないと、商売はうまくいかないと思います。
(おわり)
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